「自分らしく生きる」という言葉を時々耳にします。でも、この言葉を聞いて、少し難しく、重く感じられたとすれば、何か人間関係に悩んでいらっしゃるのかもしれません。
私たちには、自分自身で自己を見つめると同時に、他人の目を通して自分自身がどう映るかを気にして生きる特性がありますが、これは明らかに天敵から身を守る動物的本能を引きずっているようです。
言い換えれば、他の人と調和する上においては、自己を守る恩恵もあるのではないでしょうか。
しかし、この本能が人としては時にやっかいに作用することがあります。
つまり、他人からどう見られているかを意識しすぎると、明らかに精神的なストレスとなって跳ね返ってくる場合があるからです。
他の人と調和を意識するがゆえに相手の思考に合わせ過ぎてしまったり、他のみんなが良いと判断しているものを無理して受け入れてしまったりすることはやはり疲れますよね。
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私も長年この感覚から脱却できず、随分悩みました。
しかし、ある一定時期より「何かにもがいている自分がいるからこそ、人を優しく見つめられる」という意識を強く持つようになりました。
つまり、悩んでいる自分が、ある意味では「自分らしい」と確信したからです。
そして、受け身の気持ちに陥りがちな時はイメージトレーニングを行っています。
自身の身の回りで起きている事を外側から見て遠ざけるのではなく、自分自身が創造の神で、自身が創り上げた内側の世界の中で全ての事が発生していると意識してみるのです。これは受け身の気持ちから全体を俯瞰(ふかん)して観る、ひとつのイメージトレーニングになります。
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このトレーニングが全ての方に役立つかは分かりませんが、何かにぶつかったとき、ゆっくり深呼吸をして、このトレーニングを行ってみて下さい。
受け身で押しつぶされそうな気持の中に、自分らしい解決の糸口が見つかるかも知れません。
文責 山口政和